着物作家与那嶺貞とは？

与那嶺貞(よなみねさだ)とは、明治期以降、廃れてしまった織物「読谷山花織」の復元に尽力された人物です。 1999年には人間国宝に認定された着物作家で、その高い製作技術はもとより、研究・復興における功績も広く知られています。 読谷山花織とは「ゆんたんざはなうい」、または「よみたんざんはなおり」と読み、沖縄県の伝統的な織物作品で、昭和51年には経済産業大臣による伝統的工芸品に指定されました。

読谷山花織は、読谷村一帯で作られていたことからこの名で呼ばれ、かつては琉球王朝ごひいきの品でもありました。 ですが戦後になると製作者が不足、さらに後継者も途絶えてしまい、90年もの長い間、読谷山花織が作られることはなかったのです。 しかし、与那嶺貞氏の取り組みによって昭和39年復元に成功、同氏は沖縄着物において多大なる功績を残されました。 復元に成功されてからも、新たな技術の研究、既存の技法の改良や後継者の育成に努め、読谷山花織の復興と発展に尽力されました。

与那嶺貞は後継者の育成にも熱心であられたので、現在でも読谷山花織の着物作家さんが多数ご活躍されていますが、与那嶺貞ご本人作品となると価値は飛び抜けて高くなってきます。 使用感の少ない品であれば、着物で十万円代の買取価格、使われている生地の量が少ない名古屋帯のような作品でも3～5万円の買取価格は期待したいところです。

ですが、与那嶺貞作品の製作年代を鑑みるに、現在残っている着物はかなり古いものだと推測され、状態良く残っているものは極めて稀です。 着物の買取価格は状態によって大きく上下するため、高額になるかどうかは着物買取業者の力量によっても変わります。