着物作家山田貢とは？

山田貢(やまだ みつぎ)とは東京友禅における有名な着物作家で、1984年に友禅分野において人間国宝に認定されました。 また、友禅着物の復元事業や技術・技法の伝承など、伝統工芸の保存に大きく貢献した人物としても知られています。

山田貢氏は14歳のとき、同じく友禅において人間国宝作家に認定されている中村勝馬に師事し、友禅やろうけつ染めの技法を学びます。 1947年に二科展の工芸部において初入選を果たし、以降は連続入選の快挙を成し遂げます。 独立してからも工芸展や展覧会などへ積極的に出品を続け、新作も数多く発表しました。 1968年になると日本工芸会常任理事に就き、その後は東京芸術大学美術学部や金沢美術工芸大学において非常勤講師を務め、技術の後継に努めました。

山田貢氏が手掛ける着物作品は、構図が大胆な品が多いのですが、描線は極めて繊細です。 図柄は自然写生の他、干している魚網の姿を抽象化した「網干文」、紋章の一種である「巴文」などがあり、多彩な技法と表現が高く評価されました。

山田貢の着物作品は価値が非常に高く、使われている生地の量が少ない名古屋帯であっても10万円以上で販売されています。 そのため状態が良く着用できる品であれば、非常に高い買取価格が期待でき、着物一点からでも少なくとも数万円単位の買取価格がつくでしょう。 ですが山田貢氏の活動年を鑑みるに、残っている着物となると古い作品が中心となってきますので、買取価格は状態に大きく依存します。

また、人間国宝級の名匠となると着物の価値が高い分、業者ごとの買取価格差がかなり激しくなってきます。 売る際は、出来れば複数の買取業者を利用して相見積もりを取るか、最低でも写真付きでのメール査定は行っておきたいところです。