着物作家中村勝馬とは？

中村勝馬(なかむら かつま)とは東京友禅における着物作家で、1955年に人間国宝に認定されました。 中村勝馬は東京友禅の第一者とも称されており、作品は歴史的な価値を持ち、着物というよりも芸術品や骨董品などに近いものがあるかも知れません。 まだ作品への落款が一般的でなかった時代に先駆的に取り入れていたことでも知られ、友禅界の歴史を紡いでこられた名作家のひとりです。

中村勝馬氏は大正2年より、三越百貨店の専属職人である増山隆方に師事、友禅の伝統的な図案と技術を継承します。 独立後は名古屋松坂屋や東京三越の専属作家として着物を制作する傍ら、染色逸品会へ出品用の新作なども手掛けられました。 戦後は東京友禅の復興と、日本工芸会の設立に尽力し、日本の芸術の歴史を着物の面から支えた人物です。

伝統工芸であった友禅着物に現代的な解釈を加え、昭和30年には友禅において人間国宝の認定を受けました。 中村勝馬に師事した着物作家・山田貢も重要無形文化財保持者で、中村氏の卓越した技術を今に紡いでいます。

中村勝馬作品の着物の買取ですが、同氏の活動年から鑑みるに、残っている着物はかなり古くなってしまっており、綺麗な状態を保てていないものが多くなると推測します。 着られる状態で残っている作品も少ないうえ、近年では市場に出てくることもほとんどないために買取価格は不明です。

ですが一般的な人間国宝着物の買取相場で照らし合わせると、状態が良い中村勝馬の作品であれば万単位～十数万円の買取価格がつく可能性が高いです。 さらに近年ではなかなか見られず、万一発見されても展示品としての流通が一般的ですので、美品で着用出来る状態となると希少性がかなり上がります。 着物の製作年や作者も含めた買取査定となると相当の知見が問われますので、中村勝馬作品を売却する場合、買取実績が多く査定に長けている業者を選ぶのが良いでしょう。